狂犬病の治療と予防 -治療用ワクチン投与について-

2024-09-27

明日9月28日は「第18回世界狂犬病デー」です。日本では既に輸入症例以外の狂犬病の発生はありませんが、ここ中国を含めた世界中のほとんどの国家地域では依然として発生しています(発病するとほぼ100%死亡します)。

 

「9月28日世界狂犬病デーについて」 厚生労働省

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/12.html

 

中国における狂犬病発病者数は過去16年に亘って年々減少して来ています。しかし、2023年も131人が発病しており、今年上半期(2024年1~6月)においても60人が発病しています。

 

治療と予防ですが、日本国立感染症研究所のWEBサイトによりますと、海外、特に東南アジアで狂犬病が疑われるイヌ、ネコおよび野生動物にかまれたり、ひっかかれたりした場合、まず傷口を石鹸と水でよく洗い流し、医療機関を受診し、狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与します。

狂犬病は一旦発症すれば特異的治療法はありません。このためできるだけ早期に、ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与する必要があります。WHO および日本では、暴露後免疫(治療用としてのワクチン)は接種開始日を0として3、7、14、30、90日の6回を推奨しています。

日本では狂犬病が発生していないので、旅行等で海外に出かけてもその危険性を認識していない人が多く、イヌに不用意に近づきかまれる例があとを絶ちません。むやみにイヌや野生動物に接触しないこと、現地の状況や活動範囲などから危険度を考慮して、必要があればワクチンをあらかじめ接種するよう勧められています。予防用としてのワクチン接種は4週間隔で2回、さらに、6〜12カ月後に追加免疫をする、とされています。

 

日本国立感染症研究所>狂犬病とは

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/rabies/392-encyclopedia/394-rabies-intro.html

 

しかし、ここ中国においては、治療用の狂犬病ワクチンの接種には現在2通りのパターンがあり、一つは「5回接種パターン」と称され、0日目(第一回目の接種日)、3日目、7日目、14日目、28日目にそれぞれ1本づつ接種(計5本)、もう一つは「2-1-1接種パターン」と称され、0日目(〃)にはワクチンを2本接種し、その後、7日目、21日目にそれぞれ1本づつ接種(計4本)します。且つ負傷の程度が甚だしい場合では、ワクチン接種前に、更に狂犬病血清或いは狂犬病免疫グロブリンを投与します。

 

《北京市狂犬病暴露予防処置技術指南(2024年版)》/2024.7.18公布

https://mp.weixin.qq.com/s/nO7DwpVWCW4I4EhtDoivxA

 

現在、北京市内には100ヶ所以上の狂犬病免疫予防外来(「北京市狂犬病ワクチン接種可能医療機関」)が存在し、北京市政府のWEBサイトに百度の地図と共に掲載されていますが、朝陽区にある4施設を以下にピックアップ(日本語翻訳)しておきます。

 

北京市人民政府>医療衛生機構地図>狂犬疫苗接種門診>朝陽区

https://map.beijing.gov.cn/category?categoryId=kqymjzmz&districtId=15

 

医療機関名称 所在地(朝陽区) 電話番号(010-) 接種時間帯
北京ユナイティッドファミリー病院 将台路2号 5927-7120

5927-7000

月-日0:00-24:00
北京明徳病院(オアシス病院) 酒仙橋北路9号 5985-0333 月-日0:00-24:00
東風社区衛生服務中心 辛庄二街5号 8450-3274

8450-3564

月-日8:00-20:00
将台社区衛生服務中心 酒仙橋路49号 6432-0941-202 月-日8:00-20:00

 

文責:生活環境委員会 副委員長 重村新吾

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