2025年度《北京の歯科事情》4/7

2025-06-06

2025年度 北京新生活安全サポート情報 No.4/7
《北京の歯科事情 -2025年版-》

今年も北京の歯科事情について、現地で診療を行っている趙(柴垣)春麗よりお伝えいたします。これまでの日本・中国双方での勤務経験を通じて、現地に暮らす日本人の皆さまが安心して歯科医療を受けられるよう、実情に即した情報をお届けできればと思います。

日々の診療の中で、以下のようなご質問をよくいただきます:
歯のクリーニングはいくらですか?保険は使えますか?
海外旅行保険や駐在員保険で歯の治療はカバーされますか?
中国の社会保険が使える歯科医院はどこですか?
日本で矯正中なのですが、続きの治療は北京で可能ですか?
インプラントは日本より安いのですか?
まとめて治療を受けることはできますか?

以下に順を追ってお答えしていきます。

【1】どこで歯の診療を受けられますか?
北京では、街中にある「〇〇歯科」や「〇〇口腔」、総合病院の口腔科などで歯科診療が受けられます。ただし、一般的には中国語での対応が基本です。
日本語での診療をご希望の場合は、外資系病院や一部の私立クリニックで日本語対応が可能です。
また、日本語通訳なしで直接受診できる医療機関については、北京日本倶楽部HPの会員ページ「通訳不要日本語で受診できる医師リスト」もご参照ください。(※会員ログインが必要)

【2】治療費はどれくらいかかりますか?
治療費は、公立病院でも医療レベルによって異なりますが、病院の種類・立地・医師の経験・使用材料によって大きく差があります。
自費診療となる私立医院や外資系病院では特に、事前に費用の確認をされることをおすすめします。
矯正やインプラントなど、日本では自由診療となる治療は、中国では比較的費用が抑えられているケースもあります。

【3】歯科治療と保険の関係
中国の公立病院の口腔科では、中国の社会保険(医保)が使用可能です。ただし、私立クリニックや外資系病院では使用できないことがほとんどです。
海外旅行保険は、基本的に外傷などによる歯科治療のみが対象となります。
駐在員の方が加入している保険に歯科が含まれるかどうかは、契約内容をご確認ください。
また、日本の健康保険をお持ちの方は「海外療養費制度」を利用して、日本で保険適用となる治療について自己負担分の一部を申請することが可能です。
保険によっては、定期健診やクリーニング、インプラントなどをカバーするプランもありますので、詳細は保険会社・勤務先・受診予定の医療機関にご確認ください。

【4】中国と日本の治療方針の違い
日本では「できるだけ自分の歯を残す」治療方針が主流ですが、中国では予後が不良と判断された場合、抜歯を優先する傾向があります。
また、中国の多くの歯科医院にはCT設備が整っており、精密な診断が可能です。
保険による制約が少ないため、短期間でまとめて治療を進めることも可能です。
矯正治療の途中からの継続も、ケースによっては対応可能です。現地での診察を通じて判断いたしますので、まずはご相談ください。

【最後に】
海外での歯科受診には、言葉の壁や文化の違いから不安を感じる方も多いかと思います。
今回の情報が、皆さまの健康管理や医院選びの一助となれば幸いです。

文責:
趙(柴垣)春麗 マンゴー歯科(芒果口腔)勤務医
日本歯科衛生士/中国歯科医師

【マンゴー歯科(芒果口腔)のご案内】
診療方針:予防治療と精密治療の両輪で、お口の健康を末長く守ります。
診療科目:歯周病治療・予防歯科・一般歯科・小児歯科・矯正歯科・審美歯科・外科インプラント
日本語予約・相談:135-2105-5206(WeChat対応)

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