イベント名:北京日本倶楽部・文化講演会
開催日:2023年3月23日18時半~20時
主催:文化交流委員会
会場:長富宮弁公楼7F・JETRO日本貿易振興機構北京代表処(大会議室)
講師:馬場公彦氏(北京外国語大学日語学院・北京日本学研究センター副教授)
講演テーマ:「第2の人生を北京に委ねて~歴史文化と生活娯楽を楽しむ」
2022年度の最後の回となる文化講演会は、中国の大学で日本語・日本学を教えられている馬場公彦氏を講師にお招きして開催しました。日本の書店に勤められ、編集業務に従事されていた馬場先生が、定年を迎えるにあたり、第2の人生をスタートする地に選んだのは北京。その再就職先は中国の大学で、日本を教えるお仕事。出版業界のベテランはまったく別の業界でチャレンジを開始されます。誰もが直面する定年退職後の第2の人生について、「あなたの決意次第で、それまでの経歴を離れて新しい可能性に賭ける自由があります。私は単身異国に渡り新たな職業に挑戦したことで新たな風景が広がってきました。そこで見た中国の姿はそれまでの書籍や報道から連想されるものとはおよそかけ離れたものでした。」と、実体験に基づいた示唆を下さいました。そう遠くない将来、私も直面する第2の人生について、真面目に考えてみようと思う良い機会になりました。
馬場先生はまた、コロナとほぼ同時期に始まった北京での生活娯楽の楽しみ方についてもお話し下さいました。北京から出られなくなった三年間に、馬場先生が注目したのは2200万人の市民のためのインフラ整備。古い地図を求め、水郷北京の水路を歩く市内の旅を開始されます。雨の少ない乾燥した北京に大河はなく、水郷のイメージはありませんでしたが、水不足に困った記憶もありません。千年、千キロを超える北京の水利・治水・水運・水源の構築は、まさに「愚公、山を移す」壮大な事業であったことを教えていただきました。長年北京で暮らしながら、知らなかった歴史と事実に感心している間に一時間が過ぎ、最後は時間切れとなってしまい、ご用意いただいたパワーポイントの資料の後半部分は、次回の楽しみとなりました。ご参加いただいた37名の皆さんからも感想や質問等のご発言をいただき、楽しい時間となりました。