2025年度 北京新生活安全サポート情報 No.6/7
北京日本倶楽部生活環境委員会では、この春から北京での新しい生活を始められた皆さんへ、
北京で安全に快適に過ごして頂くための「生活安全サポート情報」を、以下の如く全7回に分けて配信させて頂きます。
No. 配信予定日 タイトル
1/7 4/29(火) 緊急時の情報入手(在留届、メルマガ、拠点公寓&オフィス、他)
2/7 5/13(火)北京で生活する際の予防接種のポイント
3/7 5/27(火)子供の病気対策
4/7 6/10(火)北京の歯科事情 -2025年版-
5/7 6/24(火)夏を健やかに楽しむ知恵:中医学が教える「夏養生」の極意
6/7 7/8(火)北京での出産について
7/7 7/22(火)反芻思考から抜け出そう
以上の情報が皆様のお役に立ちましたら、うれしい限りです。
《北京での出産について》
はじめに
海外での妊娠は、嬉しい反面、いろいろと不安の種も尽きないものです。今回は北京でのご出産を予定されている方々、また、これから授かろうとしている皆様へ、北京での妊娠・出産事情をご紹介させていただきますので、ご参考になさってください。
1.妊活をはじめたら
妊活をはじめられる際、気になることがあれば、一度婦人科にご相談なさるのも良いかもしれません。日本で病院を受診するタイミングがなければ、北京にも妊娠前の検査や治療を行っている病院が多数ありますので、気軽に問い合わせてみてください。特に婦人科系の疾患がある場合は、治療を優先すべきか妊活を先に進めるべきかを医師にご相談いただくことをおすすめします。日本語や英語でご相談なさりたい場合は、外資系クリニックをご利用ください。例えば北京ユナイテッドファミリー病院では、女性向けの検査だけでなく男性向けの各種検査も行っており、人工授精や体外受精を含む不妊治療でも実績があります(ちなみに近年は日本でも不妊治療への費用補助が始まっていますが、活用できるかどうかはご所属先まで事前にご確認ください)。
2.妊娠かな?と思ったら
尿検査など、市販薬で妊娠反応検査をしてみましょう。もしも検査が陽性だった場合は、妊娠の周期を確かめてください。周期の数え方は、前回の生理が始まった日を妊娠0週の1日目とし、その1週間後からを1週目と数えます。40週目に入る日が出産予定日です。カレンダーを見ながら、1週ごとに数えていくと分かりやすいでしょう。
妊娠を確認する方法には、尿検査・血液検査・エコー(超音波)検査などがあります。特にエコー検査では、子宮内妊娠の確認や胎児心拍の確認などができます。エコー検査で赤ちゃんの心拍を確認するには、7週目以降(生理開始予定日を2週間過ぎた頃)に産婦人科を受診して頂くのが一般的です。ただ、陽性確認後に以下のような症状があれば、できるだけ早くご受診ください。
・ 膣からの出血
・ 腹痛
・ ひどいつわり
・ 性器のかゆみ、痛みなど
3.妊婦検診について
日本で出産される方も北京で出産される方も、まずは妊婦検診を受けてください。妊娠後はじめて受診する際は、病院に「直近の生理の開始日」を伝えて予約を入れてください。北京には多くの産婦人科クリニックがありますが、外国人の妊娠・出産に対応した実績のある外資系クリニックを選ばれると安心です。費用や病棟の環境などは事前に問い合わせてみると良いでしょう。
一例として、北京ユナイテッドファミリー病院は日本語で受診できる産科医や日本語通訳スタッフがおりますので、毎年多くの日本人女性が出産されています。妊婦検診は、妊娠初期/中期には4週間ごとに行い、出産が近くなれば2週間ごと、1週間ごとというように頻度が高くなります。特に12週の検診は非常に重要なので、必ず受診してください。途中で転院された方、日本で検診を受けていた方は、初診の際に診断書や過去の検査記録をお持ちになることをお勧めします。当院では既に検査済みの項目に関しては検査を省略するなど、配慮させていただいています。 また、途中から日本に本帰国される場合には北京での検査記録をお持ち帰りいただくことができます。出産時は出産病棟の個室に入院し、自然分娩なら産後2泊3日、帝王切開なら3泊4日で退院というケースが多いと思います。一般的には日本での出産より入院期間が短くなりますが、延泊は可能ですので出産前にご相談ください。
4.出生医学証明書の取得ならびに各種届出について
出産後、分娩を行った医療機関で「出生医学証明書」を取得してください。出生後の各種届出で必要になりますので、氏名(ローマ字表記)を正確に記載した「出生医学証明書」を取得しておく必要があります。当該証明書の発行をするためには、ご両親のパスポートが必要ですので、分娩当日必ず持参してください。出産後にあわてないよう、届出の手順については、お早めに大使館領事部に問い合わせておかれることをおすすめします。原則として出生後すぐに、(1)大使館領事部での出生届の提出、(2)パスポートの申請、(3)中国公安局への登記、という3つの手続きをします(その後パスポートができたらビザ申請をしましょう)。
また、出産後はすぐに赤ちゃんの定期検診や予防接種が始まります。中国に長く滞在される場合は出産した病院で中国のワクチンノートを発行してもらってください(乳幼児が予防接種を受ける際に毎回保護者が持参する必要があります)。日本の「母子健康手帳」は現在、北京の日本大使館領事部では配布されていませんが、「母子健康手帳」データは「子ども家庭庁」ホームページにてダウンロードできます。
5.妊娠中に注意すべきこと
よく知られていることですが、妊娠中、服用を避けるべき薬があります。風邪をひいたり病気になられた際は、事前に医師と相談して、妊婦さんでも使用できる薬を処方してもらってください。お酒やタバコは控えましょう。また、妊娠期に感染症などにかかると早産のリスクが上がることがあります。気になることがあれば、早めに病院を受診なさってください。
まとめに代えて
妊娠・出産は、人生のビックイベントです。ましてや慣れない海外での妊娠・出産には、ご実家のサポートが得にくいなど不安がつきものです。出産プラン(立会い出産、無痛分娩や帝王切開、計画分娩の希望など)はもちろん、気になることや心身の不調についても病院スタッフに遠慮なくご相談なさってください。妊婦さんの心身の健康とお腹の赤ちゃんの健やかな成長の為にも、ゆったりとした気持ちで妊娠期間を過ごしましょう。
上記の内容について、ご質問がありましたら、北京ユナイテッドファミリー病院(日本部:5927-7332)までお気軽にお問い合わせ下さい。
文責:
北京ユナイテッドファミリー病院 日本部