北京新生活安全サポート情報《反すうに対するセルフモニタリングのやり方について》

2026-07-21

北京日本倶楽部生活環境委員会では、この春から北京での新しい生活を始められた皆さんへ、北京で安全に快適に過ごして頂くための「生活安全サポート情報」を、以下の如く全8回に分けて配信させて頂きました(今回が最終回)。

No.配信日タイトル
1/84/13(月)日本語で受診可能な歯科医(2Dr)
2/84/27(月)緊急時の情報入手(在留届、メルマガ、他)
3/85/12(火)子供の病気対策
4/85/26(火)北京在住の日本人のための予防接種ガイド
5/86/9(火)北京の歯科事情
6/86/23(火)中医学から見る:夏を健やかに楽しむ養生法
7/87/7(火)北京での出産について
8/87/21(火)反芻思考から抜け出そう

以上の情報が皆様のお役に立ちましたら、うれしい限りです。

2026年度 北京新生活安全サポート情報 No.8/8
《反すうに対するセルフモニタリングのやり方について》

以前の記事では、反すう思考とは何かについて紹介しました。まずは復習しましょう。反すう思考とは何でしょうか?

牛や鹿は、食べ物を食べた後、一度飲み込んだものを口の中に戻して再び噛みしめることがあります。これを「反すう」といいます。これと同じように、過去の出来事や経験、あるいは自分自身のある側面について、頭の中で繰り返し考え巡らせるような行動は、心理学において「反すう」(または「反すう思考」)と呼ばれています。反すうは主に過去や現在のことについて考えるのに対し、心配は主に将来のことについて考えるという違いはありますが、両者は非常に似ています。

反すうや心配を考える際にもう一つ重要な点は、それらが無意識に生じる習慣であるということです。習慣とは、日々の生活の中で、意識や意図がなくても、ほぼ自動的に生じる反応のことを指します。わざわざ「繰り返し考えよう」「真剣に考えよう」と思わなくても、自動操縦で「反すうモード」に入り、ぐるぐると同じことを考え続けてしまうことがあります。そのため、自分自身の反すうや心配の程度は、意外にも自分では気づきにくいものです。

そこで、このような自分では気づきにくい習慣化した反すうや心配に対しては、まず自分がストレスを感じる状況や、そのストレスに対して自分がどのような対処戦略を使いがちなのかを観察する練習を始めることが重要な第一歩となります。もちろんこれは簡単なことではありませんが、本日の記事では、自分自身をよりよく観察するためのツールとして、いくつかのチェックリストをご紹介します。

「反すう・心配ダイアリーをつけましょう」

習慣を変えるための第一歩は、その行動をしていることに気づくことです。気づくための一番の方法は、日記をつけることです。ここでは、気持ちや考え、行動の変化に注目した日記――反すう・心配ダイアリーを紹介します。

次のことを考えてください。
ここ二、三日の間で、あなたがネガティブな気分になったとき、落ち込んだ時、気持ちが沈んだ時、不安になったとき、腹が立った時など――のことを思い出してください。
どういう状況でしたか。どんな気持ちになり、どんなふうに対処・行動しましたか。その結果、どうなったでしょうか。

項目ネガティブな気分になったときポジティブな気分になったとき
状況:いつ、どこで、誰と、何をしているときでしたか?
何がありましたか?何が起きましたか?
その時の気持ちと強さ(例:悲しい:10、うれしい:8「10:最も強い~0:最も弱い」)
その状況に対してどのように対処しましたか?反すう・心配をしていましたか?
そのように対処した結果、どうなりましたか?どんなことが起きましたが?
そのように対処した結果、あなたの気持ちはどうなりましたか?状況はどう変化しましたか?

反すう・心配ダイアリーをつけることで、以下のことに気づくことができたらいいですね:①日々の生活の中で、どういったときに反すう・心配が起きるか;②反すう・心配が、あなたの気持ちや行動にどのような影響を与えているか;③ポジティブな気持ちを感じたり、問題の解決に向けて前向きな対処ができたりするのは、どのような時か;④反対に、効果的でない対処方法を取ってしまうのは、どのような時か。

「反すうにつながる「危険サイン」を探しましょう」

習慣となった反すうは、何の前触れもなく突然起きているのではありません。「〇〇さんが▲▲を言って、それに対して私は××を思ったので、□□と伝えたら、○○さんの顔色が悪くなった。私は悪いことをしてしまったのかなと思いこみ始めた」というように、一連の出来事の連鎖がありました。反すうや心配が始まるときに起きる私たちの中の変化や、反すうや心配が起きやすい場所・状況を反すうの危険サインと呼びます。それがわかれば、対策が考えやすくなるかもしれません。
そこで、多くの人が危険サインだと認識しやすいものをリスト形式でまとめました。まず、あなた自身が「反すうしやすい」と思う状況に〇を付けるようにしてみてください。

1.反すうしやすい状況のチェックリスト

状況・できごとチェック欄
やるべきことが多すぎるとき
プレッシャーを感じるとき
重要な課題をやり切れるか分からないとき
人から評価を受けたり、他の人と比べられたりするとき
大切なものを失くした時
孤独を感じるとき
からかわれたり、嫌がらせを受けたりしたとき
人から大事にされていないと感じるとき
何もすることがなく退屈な時
急かされているとき
思うように物事が進まないとき
人から無視されたと感じたとき
批判やダメ出しを受けたとき
場所・時間チェック欄
一人でいるとき
音楽を聴いているとき
人前で発表・プレゼンをしないといけないとき
悲しい映画や怖い映画を見ているとき
何かのきっかけで、ある出来事を思い出したとき(写真、日付、歌、人物、場所など)
過去に経験したつらい出来事や別れと同じ日
自宅
自分の部屋
布団・ベッドの中
職場・学校にいるとき

2、反すうしているときのあなたの変化のチェックリスト
反すうが始まるとき、あなた自身やあなたの体の中ではどんな変化が起きているでしょうか。当てはまるものに〇を付けてみてください。

体の変化チェック欄
肩や首、背中に力が入っているのを感じる
緊張を感じる
不安を感じる
イライラして怒りっぽくなる
声のトーンや大きさが変わる(声が大きくなる)
顔が紅潮する、熱っぽくなる
鼓動が早くなる、ドキドキする
ソワソワする
気持ちが沈む
体が重く、だるくなる
お腹がゴロゴロして落ち着かない、お腹に不快感を覚える
大声で叫びたくなる
行動の変化チェック欄
活動的でなくなる
横になりたくなる
急かされたように一度にたくさんのことをしようとする
物事を先延ばしにする
人と会うのを避けるようになる
人に対してイライラして挑発的な態度を取るようになる
友達付き合いを避け、家にこもりがちになる
行動を起こす前に考え込んでしまう
考えの変化チェック欄
一つの問題や心配事にしか意識が向かず、視野が狭くなる
一つのことに集中できなくなる
頭の中にたくさん考えが浮かんできて整理できなくなる
いろんなことに気が散って集中できなくなる
自分で自分を疑うようになる
考えがすぐ脇に逸れてしまう
自分を責め始める
「どうして思うようにいかないのだろう」とばかり考える
「なぜ私だけ?」「私のどこがいけないの?」と考える
ネガティブなことばかり考えてしまう
どんな問題も解決できないと思ってしまう

反すうモード以外に、具体モードや没頭モード、コンパッションモードなど、多くの対処モードは私たちが生まれながらに持っているものですが、反すうや過度な一般化の思考が習慣化してしまうと、他のモードを柔軟に選択することが難しくなります。以上のチェックリストを活用することで、自分自身の反すうや心配について、まずはしっかりと観察し、早い段階で対処する策を練ることができるでしょう。

出典:
『「反すう」に気づいてぐるぐる思考から抜け出そう!』岩崎学術出版社著者: 大野裕 (監修)梅垣佑介 中川敦夫 (著)

文責:
王小双 臨床心理士・公認心理師
北京港澳国際医務診療所・北京聆析心理相談室 心理カウンセラー

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HP 予約:http://www.lingxicounseling.com/
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