狂犬病の治療と予防-ワクチン投与-について

2021-09-23

9月28日は「世界狂犬病デー」です。日本では既に輸入症例以外の狂犬病の発生はありませんが、ここ中国を含めた世界中のほとんどの国家地域では依然として発生しています。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/

北京市でも今年(2021.1.1-8.21)、二名の患者が発症し亡くなられており、6月末現在で103,265人の方々が動物から危害を受け医療機関を受診されています。

http://www.dz258.cn/fangaichengguo/d46528404.htm

治療と予防ですが、日本国立感染症研究所のWEBサイトによりますと、海外、特に東南アジアで狂犬病が疑われるイヌ、ネコおよび野生動物にかまれたり、ひっかかれたりした場合、まず傷口を石鹸と水でよく洗い流し、医療機関を受診し、狂犬病ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与する。

狂犬病は一旦発症すれば特異的治療法はない。このためできるだけ早期に、ワクチンと抗狂犬病ガンマグロブリンを投与する必要がある。WHO およびわが国では、暴露後免疫(治療用としてのワクチン)は接種開始日を0として3、7、14、30、90日の6回を推奨している。

日本で は狂犬病が発生していないので、旅行等で海外に出かけてもその危険性を認識していない人が多く、イヌに不用意に近づきかまれる例があとを絶たない。むやみにイヌや野生動物に接触しないこと、現地の状況や活動範囲などから危険度を考慮して、必要があればワクチンをあらかじめ接種するよう勧められている。予防用とし てのワクチン接種は4週間隔で2回、さらに、6〜12カ月後に追加免疫をするとしています。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/rabies/392-encyclopedia/394-rabies-intro.html

しかし、ここ中国においては、治療用の狂犬病ワクチンの接種には現在2通りのパターンがあり、一つは「5回接種パターン」と称され、0日目(第一回目の接種日)、3日目、7日目、14日目、28日目にそれぞれ1本ずつ接種し、もう一つは「4回接種パターン」と称され、0日目(〃)にはワクチンを2本接種し、その後、3日目、7日目、21日目にそれぞれ1本ずつ接種します。且つ負傷の程度が甚だしい場合では、ワクチン接種前に、更に狂犬病血清或いは狂犬病免疫グロブリンを投与します。

https://max.book118.com/html/2018/0801/7003034151001141.shtm

現在、市内には106ヶ所の狂犬病免疫予防外来(「北京市狂犬病ワクチン接種可能医療機関」)が存在し、一覧表(2021.4.23版)として北京市疾病予防コントロールセンターのWEBサイトに掲載されていますが、日本大使館に比較的近い4施設を以下にピックアップ(日本語翻訳)しておきます。

https://www.bjcdc.org/article/52848/2018/08/2018081052848.ht

 

No 医療機関名称 所在地(朝陽区) 電話番号(010-) 接種時間帯
10 北京明徳病院 酒仙橋北路9号 5985-0333 急診(第一回目)

月-日0:00-24:00

14 東風社区衛生服務中心 辛庄二街5号 8450-2833 月-日8:00-20:00
24 北京ユナイティッドファミリー病院 将台路2号 5927-7120 月-日0:00-24:00
25 将台社区衛生服務中心 酒仙橋路49号 6432-0941-202 月-日8:00-20:00

 

 

文責:

生活環境委員会 重村新吾

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