北京日本俱楽部 2023年度 第三回文化講演会
講演テーマ:『出会い ~ 日中交流をライフワークにしたきっかけ』
講師:王衆一氏(雑誌『人民中国』元総編集長)
開催日:2023年9月21日(木)
場所:長富宮飯店2階・百合の間
参加者:23名(非会員1名含む)
今年度三回目となる9月の開催は、日中国交正常化が実現した9月にちなみ、日中交流に人生を捧げてこられた雑誌『人民中国』の元総編集長・王衆一氏に、日中交流をライフワークにしたきっかけとその中での数々の出会いについてお話しをいただきました。日本への留学経験があった母親のもとで幼い頃に日本を知り、日本に惹かれ、大学で日本と日本語を学んだ王衆一氏が、大学在学中に出会った日本人留学生と、数十年後に再会したこと。奇しくも、二人は同じメディア業界で働いていました。
また、戦前に医学を学ぶために日本に留学した王衆一氏の母親の同級生との、東京での出会い。半世紀も前に、机を並べて学んだその時に、母親から借りたというドイツ語の板書のノートを、息子である王衆一氏は受け取りました。
日中交流をライフワークとして歩み続けた中での、感動的な出会いや再会の物語をたくさんお話し下さいました。その中で、王衆一氏がある先生から言われたという、「海外での生活が素晴らしいものになるかどうかは、そこで尊敬できる人に出会えるかどうかだよ」との言葉は、とても心に響きました。数々の出会いとその縁を大切にしてきた王衆一氏のお話しから、学ぶことの多い一時間の講演会でした。
質疑応答では、映画の研究を趣味とする王衆一氏に、日本人留学生から、今見るべき映画についての質問がありました。映画は個人の好みによりますが「忘れられない映画、考えさせられる映画」が自分にとっては良い作品だと思うと前置きしたうえで、いくつかの作品をご紹介下さいました。
先日、還暦を迎え定年退職された王衆一氏は、今後も中国の政協委員として対外友好の任務を担い、日中交流に尽力されるとのことでした。参加者と王衆一氏との、素晴らしい出会いとなった講演会でした。