7月9日(水)10:30~12:00、北京日本倶楽部図書室共有スペースにて、北京日本倶楽部主催の生活安全サポートセミナーの一環の「親子育児セミナー」を開催しましたので報告します。
当日は北京日本人学校スクールカウンセラーの居里維(きょりい)さんを講師に迎え、12名の皆さんにご参加頂きました。居さんは中国首都師範大学の心理学部を卒業、東京国際大学の臨床心理修士課程にて修士号を取得された心理学の専門家で、日本臨床心理士、及び日本公認心理師の資格を取得され、東京、茨木、仙台のメンタルクリニックで、知能検査、家族療法、大人のうつ病、不安症、思春期のパーソナリティ障害の治療に携わっておられました。
32枚のパワーポイントを使って、うつ病とうつ状態の違いを栄養不良状態と空腹状態に例えて説明、引き籠りの子供に対する親のサポートが与える影響、勉強が出来ないことに対する子供の視点と親の視点、子供に家事をさせることの重要な意味等々、私たちが気付かない視点からの実践上的アドバイスを頂きました。
印象的だったのは「もし10人の臨床心理学の専門医がある一人の発達障害(≒ADHD)の可能性が考えられる子供をそれぞれが診察した場合、いろいろな意見(≒診断名)に分かれてしまう」との話でした。30年前の状況と今の状況を比べながら、また学校制度の実情を鑑みながら、私たちはもっと疾患の全体像を理解すべきだと反省しました。
今回、居さんから心理学の専門家としての広く深い知識、そして日本と中国の医療機関、及び北京日本人学校での実戦経験を惜しみなく織り込んでお話しをして頂き、セミナー参加者全員が大満足の学びの多いセミナーでした。セミナー終了後に4名の参加者が個別に居さんの許に相談に来られ、居さんが一人一人ていねいに対応されて、実際の終了時間は12時20分過ぎとなってしまいました。尚、今年度下半期にもう一度、別のテーマでお話しして頂くことを、参加者の前で居さんに約束して頂きました。
最後に、今回も(図書室共有スペースの)「お子様コーナー」は非常に有効に機能しました(事務局はセミナー参加者にとっても主催者にとっても至れり尽くせりの会場です)。
以上
生活環境委員会は今後もセミナーやメルマガを通して、生活に直接かかわる医療情報を皆さんにお届けして参ります。
文責:
生活環境委員会 委員長 重村新吾