(2025)北京市内におけるインフルエンザ予防ワクチンの接種について

2025-09-26

各医療機関から案内が届いているだろうとは思いますが、既に北京市内の外資系医療機関へインフルエンザワクチンが入荷しており予約/接種が始まっています。

 

中国疾病予防管理センターが発表した最新版の《中国インフルエンザワクチン予防接種ガイド》では、年齢≥6ヶ月齢、予防接種の禁忌がないすべての人がインフルエンザの予防接種を受けることを推奨しています。インフルエンザ感染症を最小限に抑えることができます。北京の秋と冬は気温が低く、乾燥が著しい気候であり、低温と乾燥を好むインフルエンザウイルスにとって、長く生存する上で絶好の環境となります。北京での毎日をより安心で健康に過ごすため、今年もインフルエンザの予防接種をお勧めします。

 

1.北京市内外資系医療機関で接種できるワクチン(入荷済み)

 

[3歳以上幼児及び成人]

 

華蘭生物工程股份有限公司 製造ワクチン

4価インフルエンザワクチン  不活化ワクチン(スプリットワクチン)

*価格:各医療機関に直接お問い合わせ下さい。

 

江蘇中慧元通生物科技股份有限公司 製造ワクチン

4価インフルエンザワクチン  不活化ワクチン(サブユニットワクチン

*価格:各医療機関に直接お問い合わせ下さい。

 

[生後6ヶ月以上35ヶ月まで乳幼児]

 

深圳賽諾菲巴斯徳(サノフィパスツール)生物製品有限公司 製造ワクチン

4価インフルエンザワクチン  不活化ワクチン(スプリットワクチン)

*価格:各医療機関に直接お問い合わせ下さい。

 

2.4価インフルエンザワクチンとは

A型インフルエンザウイルスの流行株はA型H1N1とA型H3N2、B型インフルエンザウイルスはB型B/Yamagata (BY)系とB型B/ Victoria (BV)系に分けられ、この4株すべてをカバーするものを4価インフルエンザワクチン、BY系を含まないものを3価インフルエンザワクチンと呼びます。

 

3.不活性化ワクチンとは

不活性化ワクチンとは実際のウイルスを加工して毒性をなくしたもので、「スプリットワクチン」と「サブユニットワクチン」の2種類があります。「スプリットワクチン」とはウイルスのスパイクたんぱく質を作る遺伝子を無害な別のウイルスに組み込んでそのウイルスごと投与するワクチンで、「サブユニットワクチン」とは病原体一部抗原とするワクチンで、ウイルスなどの病原体そのものではなく、たんぱく質など抗原となる構成成分と免疫増強剤を組み合わせたものです。

 

4.接種時期

一番適している時期はインフルエンザ流行期の 1~2 ヶ月前、つまりは毎年秋の 9 月~11 月という時期にあたります。また、インフルエンザウイルスにはたくさんのタイプがあると共に、流行株は年々変化し続けているため、予防及び重症化をさける目的で毎年ワクチン接種を受ける必要があります。

 

5.接種方法

①3 歳以上の幼児と成人は、1 回接種。

②6 ヶ月~35 ヶ月の乳幼児は、インフルエンザ予防接種をしたことがない場合では4 週間間隔で2 回接種、インフルエンザ予防接種したことがある場合は1 回接種。

 

[上記ワクチンに関する情報提供医療機関]

・香港クリニック(北京港澳国際診所)/010-8541-2788 (9:00~17:00日本語対応)

・北京ユナイテッドファミリー病院/010-5927-7332 (日本部:日本語対応)

・VISTAメディカルセンター/010-8529-6618 (ホットライン:24時間日本語対応)

・ラッフルズ北京病院/010-6462-9054 (平日8:30~18:00,土曜9:00~17:00 日本語対応)

 

[参考]

華蘭生物工程股份有限公司(1992年設立/2024年売上876億円/社員4030人)は河南省にあるワクチン専門メーカーで、2004年に深圳証券取引所に上場しています。中国で最初にインフルエンザワクチンの「WHO事前認証(WHO Pre-qualification)」(←品質、安全性、有効性が許容基準を満たしているとのWHOの認証)を取得したメーカーです。

江蘇中慧元通生物科技股份有限公司は2015年に設立されたバイオベンチャー企業(2024年売上52億円/社員580人)で、先月(2025年8月11日)、香港証券取引所に上場しています。上記のサブユニットワクチン(商品名「慧尔康欣」)は2023年5月に正式に承認された国内で唯一のインフルエンザサブユニットワクチンです。

文責(情報取り纏め):
生活環境委員会 委員長 重村新吾

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