図書だより006 蔵書のご紹介

2021-02-10

北京日本倶楽部の図書館の中に有る本から、今回3冊ご紹介です。
現在、図書館にて貸出可能です。

■強火をやめると、誰でも料理がうまくなる/水島弘史
・ハンバーグは弱火~中火で焼く??
・揚げ物は冷たい油で揚げ始める??
・フライパンは熱してから焼き始めるは間違い??
・野菜は強火で炒めたらダメ??
シェフで料理研究家の著者が、失敗しない料理の極意を簡単にまとめた本です。多少料理をしたことがある方であれば、一般常識的なルールをあっさりと覆されます。「焼き方」「塩の分量」「揚げ方」「切り方」など料理の工程ごとに、ポイントを説明しており、即実践ができる目からうろこ系の一冊です。私は「まずハンバーグを弱火~中火で焼く」にチャレンジしてみます。
■模倣犯 1巻~5巻/宮部みゆき
宮部みゆきの全5巻、3部作の超大作。3部構成のサスペンスストーリー。多少ヘビーながらもスリリングな内容で、一気読み必死の作品です。被害者と犯罪者の心理を両側から描いたこの傑作は2002年に映画化もされています。
この作品の面白いところは、3部構成になっており、各部で別の視点で描かれています。最後まで犯人が分からないようなサスペンス小説とは異なり、1部の最後(2巻)では犯人が分かってしまいます。ただ、2部、3部では全く別の視点で物語が描かれており、同じストーリーを表と裏から見るような面白さがあり、飽きずに5巻を読み切れる作品です。

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■陸王/池井戸潤
2017年にテレビドラマ化された池井戸潤の小説です。
創業100年を超える足袋メーカー「こはぜや」の物語です。足袋が売れない時代に、業績回復をさせるために、足袋メーカーがランニングシューズの開発に乗り出し、様々な苦労を乗り越えながら、成功を手にするという物語です。
ものづくりの大変さや面白さ、生みの苦しみを、物語を通してとても良く表現できている作品です。足袋メーカーが作ったランニングシューズはなかなか評価されませんが、足袋メーカーの熱い思い、努力が徐々に陸上選手や陸上チームの監督に評価され、想いを一緒にする辺りは読んでいても感情移入せずにはいられません。

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紹介者 山本篤史 北京駐在1年目
趣味:登山・トレラン・野球・料理・北京の市場巡り

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