11月7日(土)16:00~18:00、北京発展ビル2階会議室にて、北京外交人員言語文化中心副主任 胡鴻様を講師にお招きし、文化講演会「中国商人の歴史を知ろう~中国伝統商業文化入門~」を開催いたしました。当日は35名の参加者にお集まりいただきました。
商の時代から始まった商売、古代は人の流動が少なく、知り合い社会から商売が始まり、商人、商業、商量(打ち合わせ・相談)などは、商の時代の「商」が語源になっているといいます。講演では、中国の「商人」について、商人が興った背景、 各地区の「商人」について、その特徴と代表人物などについて紹介いただきました。
① 商人が興った背景は、人口と、各地区の資源に大きく関わっていることを、陸のシルクロード、海のシルクロード、茶馬古道などを例にあげて、説明いただきました。
② 各地区の「商人」については、「徽商」、「浙商」、「潮商」について、その特徴や、代表人物が紹介されました。
例えば、山西の「晋商」。「晋商」は駱駝や船を使い、塩、鉄、茶、陶器、絹の取引を行い、東は日本、西はロシア、インドまで貿易を行いました。票という信用保険システムを作ったのもこの頃と言われています。「晋商」の特徴は、 「誠信重義」:嘘をつかない、 「吃苦耐労」:我慢強い、 「愛国済民」:愛国精神で国や民を救う、 「節倹,重視教育」:節約、教育重視、 「晋商」の代表的な商人は、喬致庸。
③ 中国の伝統商業文明の特徴は、下記の4つに集約されるとのこと。すなわち「商道済世」:世の中を念頭に自分自身を尊重、 「重徳尚義」:ブランドを大切にする。 「沾親帯故」:親戚や知り合いを重視、 「講究天時天利人和」:地の利を活かす。
そして最後に、「君子愛財、取之有道」(財を欲するも、徳がなければならない)という言葉が紹介され、講演は締めくくられました。
中国の商業の歴史や文化に関する解説をこのように網羅的に聴くことができる機会は、非常に貴重なものでした。参加者からは、「中国各地の商人の特徴が概括されていて勉強になった」「日本人では講演できない内容でよかった、通訳のレベルも高かった」「言葉の由来などの話もあり興味深かった」「各省での商業の歴史や商業の重点を知ることが出来た」「有名な商人を知ることができた、中国語のことわざも分かった」「視点がおもしろかった」との声が聞かれました。また、「事前知識があればもっと有意義だった」「PPTに和訳がほしかった」等の指摘もありました。
胡鴻先生、そして通訳を務めていただいた安琦さん、ありがとうございました。
北京日本倶楽部では、これからも皆様の北京生活の楽しみをより深いものにしていくことが出来るよう、文化講演会をはじめ様々な機会を提供してまいります。