北京旅行倶楽部 活動報告
10月24日(土)~25日(日)
~春秋戦国時代の都・邯鄲と世界遺産・殷墟をめぐる2日間に行ってきました~
15名様で戦国七雄の趙の都・邯鄲と世界遺産・殷墟へ行って参りました。
●1日目 10月24日(土)
07:49、北京西駅から高鉄に乗車して邯鄲東駅まで2時間27分。
予定通り到着して現地ガイドの陳さんと合流。先ずは趙・武霊王の野望の台と言われる叢台公園へ向かいます。中国百名園の一つに数えられ、胡服騎射などにより飛躍的に勢力を拡大した武霊王の時代に閲兵や歌舞鑑賞のために建設されました。現在の姿は明・清の時代に修復されたものです。
そして七賢祠には戦国時代に活躍した廉頗、藺相如、李牧などの像が勢揃い。漫画とはイメージがちょっと異なりましたが・・・
こちらは秦の始皇帝、嬴政が幼少期を過ごしたとされる家を再現すべく工事中。
次に向かったのは学歩橋です。みだりに他人の真似をすることで自分自身を見失ってしまうと言う意味のことわざ、「邯鄲学歩」の語源となった場所です。元々は木製の橋でしたが、水害によって流されてしまい、明の時代に石橋に架け替えられた際に故事に因んで学歩橋と名付けられました。この周辺が発祥の故事成語を刻んだ石碑もあります。
午前の観光の最後は回車巷です。戦国時代の英雄、藺相如と廉頗の仲があまり良くなかった頃、鉢合わせしそうになった際に藺相如が引き返し、馬車を回した場所と言われています。
藺相如は国ために自分たちが争うことは為にならないと考え、それを後日知った廉頗は感動し、お互いに協力するようになったと言う「刎頸の交わり」の逸話があります。現在は観光スポットとすべく修復工事中でした。この後は地元料理の昼食です。
午後一番は趙王城遺跡公園です。ここは公園になっている部分と遺跡になっている部分がありますが、遺跡部分は現在修復工事中で、公園の中央には趙の歴史が綴られています。
次に向かったのは鄴城跡に建てられた鄴城博物館です。戦国時代の紀元前236年の秦・王翦将軍らによる攻略が有名ですが、三国時代に曹操が魏国の国都と定めたことから魏の時代の展示物が中心でした。
最後は曹操の遺骨が発掘された曹操墓です。2008年に河南省文物局により西高穴村にて発掘が開始されました。発見された2基の墓には1号墓・2号墓と番号が振られましたが、2号墓から発見された60歳前後の男性の遺骨が曹操と言われております。
「魏武王」と刻まれた石碑などから曹操のことを指すと推測されたのですが、その後も専門家による論争があり、最終的には2010年4月に中国秦漢史研究会と中国魏晋南北朝史学会が合同会議を開き曹操高陵であることを結論付けました。現在は一般公開に向けて修復作業が進められております。
この後、安陽市内へ移動し、ホテルチェックインをしてホテル内レストランで夕食です。
地元名物の道口焼鶏(ローストチキン)などに舌鼓を打ち、夕食後は更に街を探検し、紙包魚なども堪能しました。
●2日目 10月25日(日)
ホテルで朝食後、08:30に世界遺産・殷墟へ向けて出発です。
殷(中国での呼称は商)は紀元前17世紀頃に夏王朝を滅ぼし、その後の周王朝に滅ぼされるまでの紀元前1046年まで続いたとされます。(諸説あり)
漢字の原型である甲骨文字が使われていたことはあまりにも有名で、歴史の教科書や資料で皆さんも目を通された記憶があることでしょう。
この世紀の大発見である甲骨文字は、清朝末期に北京で漢方薬として売られていた竜骨に不思議な絵文字が刻まれていることに気づいた金石学者の王懿栄が研究を始め、その後羅振玉に引き継がれて河南省北部の小屯村から出土した物であることが突き止められました。
彼は甲骨文字の解読を進め、この村が伝説上の王朝とされていた殷(商)の遺構ではないかと推察し、1928年から発掘が進められ、日中戦争で中断した後1950年から再開され1986年までに15万件の甲骨が発掘されました。また、巨大な墳墓や青銅器、玉石器、戦車などが多数が発掘されており、歴史好きでなくても見応え満点の世界遺産です。
昼食を取った後、袁世凱のお墓である袁林を訪れました。
北洋軍閥の総帥で初代中華民国大総統でしたが、晩年は皇帝になり損ねて失意のうちに病死。功も罪も多い波乱万丈の人生を歩んだ今際の際はどのような思いだったのでしょうか?
敷地9万㎡で西洋的な建築も取り入れ、彼の西洋への憧れも思い知ることができます。
そして最後に立ち寄ったのは安陽のシンボルで約千年前に建てられた文峰塔です。
後周の時代、952年に建てられた八角五層の仏塔で、高さ約40m。と言うことで皆さんと登ってみましたが、昔の階段は段差が大きくいのできつかったです・・・
これにて全日程終了し安陽東駅から北京へ。
あっという間の1泊2日でしたが、現地ガイドのハイレベルな説明で皆様にご満足頂けたかと思います。「ご参加の皆様、ありがとうございました!!」