北京日本人会チャリティー委員会(北京市朝陽区建国門外大街)は、去る2009年2月9日に希望工程小学校に対して図書室2校分を寄贈する手続きを完了しました。
当日は同委員会より、川邊誠委員長 伊藤仁副委員長、蔡欣則副委員長、焦忠礼委員の4名が北京日本人会を代表して中国青少年発展基金会(北京市東城区交道口南大街)を訪問し、希望小学部部長李亜東氏と対談。これは北京日本人会が、過去既に寄贈、建設した「北京日本人会希望工程小学校」10校の内、今年度は2校に対して図書室を寄贈、開設する、という北京日本人会が対中国社会貢献事業の一環として行っている活動です。
当日は、北京日本人会チャリティー委員会と中国青少年発展基金会の双方にて、寄贈する図書選定や寄贈先学校選定などについて協議した上で合意し、北京日本人会チャリティー委員会より2校に図書室を寄贈するため、2万元の寄付を完了しました。
今後、中国青少年発展基金会と連携を図り、寄贈先の2校を選定後、2009年3月中旬頃までに北京日本人会希望工程小学校2校に対し図書室開設完了を目指す。寄贈先の図書室入り口には、「北京日本人会希望工程図書室」という表示が掲示されることになる。寄贈する図書室には1校あたり、児童用、教師用の2種、約8分類の図書、合計約1,000冊と本棚などが設置される。
また、北京日本人会チャリティー委員会では、図書室開設完了の時期を見計らって、図書室寄贈式を兼ね、寄贈先の小学校を訪問し、児童、教師らと交流する活動も予定している。現在の寄贈候補先としては、河北省又は内モンゴル自治区のいずれかにある北京日本人会希望工程小学校の中から選定の見込み。
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(希望工程小学校解説)
「希望工程小学校」とは、中国青少年発展基金会が1989年から進めているボランティア活動の一環で、主に学校が無い恵まれない農村地域での小学校の建設、文庫の寄贈、農村教師の養成などを行っているものです。
同基金会を通じて寄贈、建設された小学校には、寄贈者(企業、団体、個人など)の名称が付与され「○○○○希望工程小学校」と名付けられるのが特徴で、北京日本人会が寄贈、建設した小学校にはすべて「北京日本人会希望工程小学校」と名付けられています。
北京日本人会の活動としては、これまでチャリティー委員会が中心となって取り組んで来ました。北京日本人会には、本会計とは別に社会貢献基金という会計があり、これはゴルフ大会など各種チャリティー活動で皆様から頂いた募金や寄付金、秋祭りでの収益金などにより構成されるものです。そして、この社会貢献基金を利用して、北京日本人会では1995年から2004年までの10年間にかけて、毎年1校ずつ、社会貢献基金から20万元を拠出して希望工程小学校を建設してきました。北京日本人会が今まで建設した希望工程小学校は合計10校になり、それらは、河北省、内蒙古自治区、陝西省、遼寧省にあります。
しかし2005年以降は社会貢献基金の資金が枯渇し、年間20万元を拠出することができなくなったので新たな希望工程小学校の建設は留めたものの、その後も集まった資金の範囲内で、北京日本人会希望工程小学校に対して、学用品やスポーツ用品の寄贈を行ったり、北京日本人学校の先生方が毎年夏休みに現地を訪問してボランティア授業を行うなどの交流活動を続けています。今後当面は過去建設した10校に対しての交流活動や施設改修又は増設などを基本として、活動を継続していく予定です。今回の図書室寄贈は初めての試みですが、これを機に子供達の教育や知識向上、また日中友好のための架け橋として貢献できれば幸いです。
北京日本人会希望工程小学校に通う児童らは、みな貧しい農家の子供たちで、もしこの希望工程小学校がなければ、彼らはきっと教育を受ける機会もなく、幼い頃から家の農作業を手伝うなど労働の日々を送らなければならなかったことでしょう。それだけに、彼らの授業を受ける態度は真剣そのものであり、彼らにとって「小学校で先生や友達と一緒に勉強できる」ということは、当たり前の事ではなく、特別素晴らしいことなのです。この学校で学ぶ子供たちが一生懸命勉強し、将来いつか日中の架け橋になれるような人材に育っていってほしいと思います。