希望工程小学校2校で図書室贈呈式を実施2009年4月9日

2021-03-09

※河北省柏郷県希望小学は、北京から高速道路で南西約380kmに位置し、柏郷県希望小学と武強県希望小学との間隔は高速で約220Kmの距離。北京からの全工程往復約1,050Km。

チャリティー委員会(委員長=川邊誠)が去る2009年2月に中国青少年発展基金会を通じて北京日本人会希望工程小学校2校に対して寄贈手続きした図書室の設置が完成したのをきっかけに、同委員会は2009年4月9日~10日に現地2校を訪問し、図書室贈呈式や児童・先生らとの交流活動を行いました。

当日はチャリティー委員会より、川邊誠委員長 伊藤仁副委員長、蔡欣則副委員長、焦忠礼委員、佐古光宏委員の5名が、4月9日に河北省武強県?庄郷西五村・北京日本人会希望工程小学校(1996年1月建校・全校児童126人)を訪問、4月10日に河北省柏郷県北大江村・北京日本人会希望工程小学校(1996年11月建校・全校児童200人)を訪問し、それぞれの学校にて、寄贈設置完了した図書室の視察や贈呈式、児童たちとの交流や全クラスの授業参観などを行いました。また、県教育委員会担当者らを交え、校長、教師陣と直近の実情や今後の教育現場における改善点や希望支援事項などについて話し合ってきました。

同委員会はこの訪問に際して、別途、学校・児童たちへのお土産として、それぞれの学校に対しバスケットボール、サッカーボール、バレーボール、バドミントンセット、縄跳びなどの運動用具を用意、それらを持参し贈呈しました。また、両校とも「熱烈歓迎日本友人」のサインが掲げられるなど訪問歓迎の準備が整っており温かい歓迎を受けました。4月10日に訪問した河北省柏郷県北大江村の小学校では、多数の村人らも学校に詰めかけ同委員会の訪問を歓迎、地元のテレビ局や新聞社などのメディア取材班も到着しており、同委員会視察の模様の同行取材を受けました。

両校とも、まるで北海道の大平原を思わせるような、周囲に何もない畑地帯の真ん中にポツリと立っており、それぞれの村にとって唯一の小学校として大切に使われてきた様子がうかがえました。授業の合間のチャイムは中庭の木にぶら下げられた鐘により鳴らされるといったほのぼのとした雰囲気の中、子供たちは、学校に通い勉強できることや学友と交流できることへの喜びでいっぱいの日々を過ごし、授業を受ける目も真剣そのもので、瞳の奥に純粋無垢という名に相応しいほどの生き生きとした輝きがありました。

特に武強県は河北省の中でも最も経済状況が厳しい県で、武強県希望小学では、近年、省や県の方針による学校の統廃合が進められている中で、同校は北京日本人会の寄贈による建物(学校)であるためだけに保護され、統廃合による廃校を免れて今日に至っていたとのことなどの実情を耳にしました。もし同校が北京日本人会の学校でなく県の学校であったとしたら、とっくに隣村の学校と統合され廃校となっていたとのこと。
もしそうなったら子供達はとても通学できる距離にないため、親と離れ離れになり寄宿舎生活をせざるを得なかっただろうとのことで、校長を初め、教師、子供たち、村人たちすべてが、北京日本人会に寄贈された学校である事での予期せぬ恩恵も受けられていると、改めて多大なる感謝の意を受けました。同校建校当時の初代6年生だった児童は成長し既に24~25歳になる歳を迎えている今、それら卒業生は、それぞれ省内の都市に巣立ったり、近隣で暮らす若者もいるとのこと。次回訪問の機会がある際は、それらの卒業生の中でも近隣で暮らす卒業生を呼んで頂き学校で会える日のことを約束してきました。ここで学んだ子供達が、県、省、中国のために、果てや世界の舞台で貢献し活躍できる日が来るのだと思うと、そこに秘められた可能性の無限なる大きさからも、今後も支援し続けていきたいものだと強く心に刻まれました。